
続き 【3. LangflowとWS_FTP Serverにも重大脆弱性】 ■ Langflow OSS 10月28日、IBMがLangflow OSSの複数の脆弱性を公表した。 ・CVE-2026-93680:認証回避、CVSS 9.8 ・CVE-2026-110186:MCPツール列挙処理を通じた認証不要RCE、CVSS 9.8 ・CVE-2026-110193:低権限ユーザーによるコード実行、CVSS 8.8 ・CVE-2026-110192:API認証情報の漏えい 影響対象はLangflow 1.0.0〜1.12.8 修正版は1.13.0 PythonパッケージやDockerイメージを更新する必要があり、Dockerの場合は永続化データや秘密鍵のバックアップも推奨されている。 特に外部公開しているLangflowは優先して確認したい。 実際の悪用は現時点で未確認。 IBM公式: https://www.ibm.com/support/pages/node/7294467 ■ Progress WS_FTP Server 10月29日、Windows向けファイル転送サーバーWS_FTP Serverの複数の重大脆弱性が公開された。 ・CVE-2026-84295:認証不要で管理者資格情報などが漏えいする可能性、CVSS 10.0 ・CVE-2026-90868:特定条件下でのOSコマンド実行、CVSS 9.9 ・CVE-2026-90865:特定構成でのコマンド注入、CVSS 9.0 今回の問題に対応する更新版は、2024系が2024.0.7、2025系が2025.0.4。 これらは10月1日に公開済みで、今回新しくなったのは主に脆弱性の公開情報 未更新の外部公開サーバーでは、更新に加えて管理者資格情報の漏えいがなかったかも確認したい。 Progress公式: https://docs.progress.com/bundle/wsftp-server-release-notes-2025/page/Whats-New-in-WS_FTP-Server-2025.html CVE: https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-84295 【4. AWS Private CA Connector、修正版への更新で証明書更新が止まる可能性】 CVE-2026-119115 10月29日、AWSがPrivate CA Connector for Kubernetesの脆弱性を公表した。 cert-managerとAWS Private CAを連携させる仕組みで、証明書の発行権限を確認する処理に問題があった。 条件次第では、名前空間内の発行者しか利用できないユーザーが、クラスター全体の発行者を利用し、下位CA証明書を含む証明書を取得できる可能性がある。 修正版は以下 ・aws-privateca-issuer:v1.10.1 ・EKSアドオン:v1.10.1-eksbuild.1 ここで注意したいのは、修正版への更新による可用性への影響。 修正版ではissuerRef.kindの検証が厳格化された。 従来の設定で発行者の種類が省略されている、あるいは実際の発行者と一致していない場合、証明書の新規発行や更新が失敗する可能性がある。 証明書の期限が切れれば、Ingressやサービス間のTLS通信にも影響する。 更新前にCertificate、CertificateRequest、Ingressの発行者設定を確認する必要がある。 更新できない場合は、RBACと承認ポリシーで発行者名・種類の両方を制限する暫定対策が案内されている。 AWS公式: https://aws.amazon.com/security/security-bulletins/2026-156-aws/ 【5. AWSのAIエージェント・MCP関連にも複数の問題】 AWSが公開しているAI関連ツールでも、認証情報の漏えいや権限管理に関する問題が続いている。 ■ Strands Agents Tools CVE-2026-115415 環境変数操作ツールで、本来は秘密情報を隠すマスク設定をLLM側から無効化できてしまう問題。 攻撃者が細工した文章をエージェントに処理させることで、環境変数に含まれるクラウド認証情報やAPIキーが平文で返される可能性がある。 ・影響:0.1.0以上、0.8.6未満 ・修正:0.8.6 修正版ではマスク設定を運用者だけが制御できるようになった。 AWSは対象ツールを利用していた環境の認証情報をローテーションすることも推奨。 AWS公式: https://aws.amazon.com/security/security-bulletins/2026-154-aws/ ■ AWS API MCP Server CVE-2026-115413 OAuth認証で、トークンの署名や有効期限などは検証していても、どのアプリケーション向けに発行されたかの検証が不十分だった。 同じIdPテナント内の別アプリ向けトークンが受け入れられ、MCPサーバーに設定されたAWS認証情報でAPI操作される可能性がある。 ・影響:1.3.0以上、1.6.0未満 ・修正:1.6.0 ・HTTP+OAuth構成が対象 更新後もAUTH_AUDIENCE、または対応するIdPではAUTH_CLIENT_IDの設定が必要。 暫定的にはHTTP公開をやめ、stdio通信を利用する方法が案内されている。 AWS公式: https://aws.amazon.com/security/security-bulletins/2026-152-aws/ ■ AWS Multi Model Server CVE-2026-115812 / 115813 モデルアーカイブ処理による任意ファイル書き込み・コード実行と、モデル取得機能による意図しないネットワークアクセスの問題。 管理インターフェースには認証がなく、外部から到達できる構成は特に危険。 対象は公開されている全バージョン(1.1.11以前) この製品はすでにサポート終了しており、修正版の提供予定はない。 AWSは別のモデル配信基盤への移行を推奨している。 AWS公式: https://aws.amazon.com/security/security-bulletins/2026-148-aws/ 今回のAI関連の問題は、LLMへの指示だけでは防げない部分がある。 ツールが扱える情報、トークンの検証先、実行権限、外部からの到達範囲などツール側の制御も確認する必要がある。 続く
